ヨコハマ フォトフェスティバル2015は、銀塩モノクロプリントに焦点をあて、写真制作の深さ、楽しさを感じていただくプログラムを用意しました。

写真は、シャッターを切る一瞬で出来上がるわけではありません。一枚の写真は、現像、プリントをはじめ様々な要素が複雑に絡み合って制作されています。
デジタル技術ではパソコンと出力機がその役割を担っていますが、銀塩モノクロプリントでは、暗室内の手作業でこれらの工程を行います。そして、高い技術を持ったプリンターの手にかかると一枚のネガから無数のバリエーションを作り上げる魔法が、暗室で起きるのです。
この「暗室の魔法」を知っていただくために、赤レンガ倉庫内に巨大な暗室を作りました。
暗室初心者の方には撮影からプリントまでを体験するワークショップを開き、経験者の方には巨大な暗室を開放することで、自らの手で写真を完成させる喜びを感じていただく機会を提供します。

このほか、第一級の銀塩モノクロプリントの展示や恒例のフォトレビューも開催します。
制作プロセスを理解・実体験してプリントを観ていただくと、「写真」が違って見えることでしょう。
ヨコハマ フォトフェスティバル2015で、写真の舞台裏を知り、より多く、より深く、楽しむきっかけになれば、企画者としてこの上なく幸せです。